11/28~30
東京・国立代々木競技場第一体育館
浅田真央が女子では前人未到の2回のトリプルアクセルに挑んだ。
ショートプログラムトップに立った浅田は、フリー冒頭にトリプルアクセルからのコンビネーションを予定していたが、トリプルアクセルが単独になり、「2回チャレンジしようと思っていた。最初が単独になってしまったので次にコンビネーションにしないと意味がないと思った」と、2回目のジャンプをトリプルアクセルからのコンビネーションに。2回目のアクセルは回転不足で認定されなかったが、価値のあるNHK杯の優勝を飾った。
「1回目の優勝の時(06年)はアクセルが決まらない時だったのでアクセルが跳べてうれしかったけれど、今回はアクセルが2回跳べてうれしかった」(浅田)
2位には鈴木明子、3位には中野友加里が入った。
今シーズン、怪我で欠場している高橋大輔に代わって、2年ぶり復帰した織田信成に注目が集まった。
織田は今シーズンからモロゾフに師事し、4回転ジャンプも構成に取り入れるなど意欲的。フリーでは冒頭の4回転で着氷を乱すなど細かなミスも続いたが、技術点の高さに救われ、3年ぶりNHK杯優勝を果たした。
2位には ジョニー・ウィア (アメリカ)、3位には ヤニック・ポンセロ (フランス)が入った。
ファイナルへの出場権を懸け、イタリアのフェデリカ・フェイエラ / マッシモ・スカリ組と、フランスのナタリー・ペシャラ / ファビエン・ブルザ組との争い。フリーで「月光」を滑ったフェイエラ/スカリ組が優勝し、ペシャラ / ブルザ組が2位。3位にアメリカの エミリー・サムイルソン / エバン・ベイツ組が入った。
演技中から割れんばかりの声援を受けたのが2位に入ったアメリカの井上怜奈 / ジョン・ボルドウィン組。日本、アメリカ両国旗がいっぱいに揺れる会場は圧巻。トリノ五輪七位の後はマイペースな競技生活を送っているが、井上を起用したCMで認知度も上がり、今後の活躍がますます期待されている。
優勝は、中国の実力ペア、チン・パン / ジャン・トン組、3位はカナダの ジェシカ・ジュベ / ブリス・デービソン組。
<Text/Photo Miwa MORI>