2009.10.23~25
メガスポーツパレス モスクワ/ロシア
プルシェンコが帰ってきた。グランプリ(GP)シリーズ第2戦ロステレコム杯は、待ちに待った王者の復活劇を見ようと、多くの観客が詰めかけていた。
今シーズンより再びアマチュアの舞台に戻ったが、それはもちろんバンクーバー・オリンピックのためだ。再びトレーニングを始めてどこまで戻すことができるのか、そんな不安さえも彼のショートプログラム(SP)冒頭のジャンプ、4回転-3回転トゥループを見れば吹き飛んでしまったことだろう。08、09年ともに世界選手権男子優勝者は4回転を飛んでいない。リスクの高い4回転ジャンプを飛ぶよりも、要素を確実にまとめ安定策を選ぶ傾向にあったからだ。彼の復活劇はその流れに一石を投じたことに間違いなかった。
フリーでも4回転のコンビネーションジャンプをぴたりと決め、会場を声援を一身に集めた。彼はまさにロシアの頼もしい英雄だった。
「自分こそがナンバーワン」プルシェンコはリンクで人差し指を掲げた。
直前のフランス大会でキム・ヨナ(韓国)に大差で敗れた浅田真央(中京大)はタラソワコーチのお膝元ロシアで第2戦を迎えた。しかしながら修正どころかさらに調子を落とし、自身ワーストの5位で今季のGPシリーズを終えた。この結果によりGPファイナルの出場はほぼ絶望的となった。
SP3位で臨んだ安藤美姫(トヨタ自動車)がフリーで1位を獲得し、逆転で優勝を飾った。
<Text/Photo Miwa MORI>