11月8日~10日
東京・国立代々木競技場 第一体育館
オリンピックシーズンを迎えたフィギュアスケートGP(グランプリ)シリーズNHK杯は、シリーズ第4戦として東京・代々木第一体育館にて開催された。12月に行われるGPファイナル(12/5~福岡)出場に向けて順位ポイントも着実に獲得したい一戦、初戦のスケートアメリカで優勝を飾った浅田真央やスケートカナダで2位の鈴木明子、スケートアメリカでは思わぬ不調で4位に終わった高橋大輔らが出場した。
五輪シーズンを順調にスタートした浅田は、初戦からトレードマークにもなっているトリプルアクセルに挑み、好調さと自信を感じさせた。ショートプログラム、フリーともトリプルアクセルに挑み、完璧な出来栄えではなかったものの良い手ごたえを感じさせるジャンプ。総合207.59点で4度目のNHK杯優勝を飾った。
2位のラディオノワ
浅田真央のSP演技
また今年のNHK杯には2人の若い女子選手も出場している。日本の宮原知子(15歳)とロシアのエレーナ・ラディオノワ(14歳)だ。
一足早くにスケートアメリカに出場したラディオノワはそのデビュー戦でいきなり3位に入って周囲を驚かせた。昨シーズンは出場したジュニア大会を総なめとし、世界ジュニアでも優勝。ロシア国内選手権ではシニア選手に混ざって2位となった。NHK杯でも難易度の高い連続3回転ジャンプを確実に決めて浅田に次ぐ2位に入った。
スケートアメリカでは4位に終わり、ファイナル出場にはNHK杯優勝しかない高橋大輔。
ショートプログラムでは冒頭の4回転を完璧に決めるとそのあとも集中力をきらすことはなかった。バイオリンの調べにのってその表現力で一気に会場を惹きこみショート歴代2位の95.55点の高得点を出してトップに立った。フリーは「ビートルズ・メドレー」。細かなミスはあったものの課題の4回転は1本決めてプログラムの流れも乱さず滑りきった。フリー172.76点、総合268.31点で5回目のNHK杯優勝を飾った。
2位には織田信成、3位には復調したジェレミー・アボット(アメリカ)が入った。ヨーロッパチャンピオンで世界選手権3位のファビエル・フェルナンデス(スペイン)は得意のジャンプが安定せず5位に終わっている。
高橋大輔のフリー演技
今シーズン圧倒的な強さをほこっているタチアナ・ボロソジャル&マキシム・トランコフ組。高さのあるツイストリフト、スロージャンプには毎回ひときわ大きな歓声が沸く。NHK杯では2位のチェン・パン&ハオ・ジャン組(中国)に50点以上の大差をつけて優勝。ソチではただ自分たちの演技ができればもはや死角はないだろう。
アイスダンスでは世界チャンピオンのメリル・デービス&チャーリー・ホワイト組が圧勝。NHK杯はこれで4度目の優勝となる。スケートアメリカ、NHKを連勝してファイナルの切符を手にした。
<Text / Photo Miwa MORI>
タチアナ・ボロソジャル&マキシム・トランコフ組のフリー演技