2013.11.22-24
ルジニキ・スモールスポーツアリーナ
モスクワ・ロシア
グランプリ(GP)シリーズ最終戦のロシア大会は、ロシアのエフゲニー・プルシェンコの欠場により、若手のマキシム・コフトゥンにロシアメディアの注目が注がれていた。
昨シーズンはジュニアGPシリーズに出場し、ソチで行われたジュニアGPファイナルで優勝を飾ってその存在を一気に印象付けた。ショートではフラメンコの曲に乗って全てのジャンプを決め、地元モスクワの観客から大歓声、世界歴代4位の得点92.53点で首位に立ったが、翌日の最終滑走で迎えたフリーではその重圧からかジャンプが決まらず、総合順位を2位に落とし、GPシリーズ初タイトルを逃した。
マキシム・コフトゥンのフリー演技
優勝した町田樹
スケートアメリカで自己ベストを更新して優勝した町田樹は、2戦目のこのロシア大会では調子を落としていた。
今シーズンのフリープログラムは昨年から引き続きロシアのストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」。ロシアの地でこのプログラムを「演じる」ことに町田は重きを置いていたが、実際の本番ではジャンプをコントロールすることで精いっぱいになってしまったと話した。「力づくだった」というジャンプは、それでも4回転2本を確実に着氷させ、確実に点数を重ねることができた。フリーでは172.10、総合257.00で逆転し、ロステレコム杯初優勝を果たした。これによりGPシリーズ2戦を優勝で飾り、日本人トップのポイントでファイナル進出を果たした。
女子の注目は地元モスクワのユリヤ・リプニツカヤ。柔軟性と安定したジャンプが持ち味のリプニツカヤだが、ショートで72.24の高得点でトップに立つと、地元モスクワということもありさすがに緊張感が勝ったのか、フリーでは大きく演技を乱した。コフトゥン同様にソチ出場に向けては地元ロシアで強く印象づけたい一戦だったが、しかしながらショートでのアドバンテージにより0.68という僅差でカロリーナ・コストナーをかわしてロステレコム杯初タイトルを手にした。
ロシア国内チャンピオンのトゥクタミシェワは終始ジャンプの乱れ4位。ショートプログラムをジャンプミスで最下位発進となった村上佳菜子は、フリーで挽回するも総合8位、日本女子では宮原知子の5位が最高だった。
ユリヤ・リプニツカヤのSP
ペアでは安定した実力をみせたドイツのアリオナ・サフチェンコ&ロビン・ゾルコビー組が優勝。
地元ロシアのべラ・バザロワ&ユーリ・ラリオノフ組は第2位。カナダのカーステン・ムーア=タワーズ&ディラン・モスコビッチ組が第3位となった。
日本の高橋成美&木原龍一組は8位で終わった。
アイスダンスでは地元モスクワのエカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組が優勝。
2位にはカナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組、3位はアメリカのマディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組。
<Text/Photo Miwa MORI>
ボブロワ&ソロビエフ組