11月28日~30日
大阪・門真スポーツセンター なみはやドーム
2週間前に行われた中国杯での衝突の影響が心配された羽生結弦(ANA)は、転倒などの不安定な演技が続き合計229.80点で4位。
ショートプログラムでトップに立った無良崇人(HIROTA)は、フリーでは硬さがみられ、得意のトリプルアクセルがシングルになるなどジャンプのミスも重なり、合計234.44点で3位となった。
優勝したのは、このNHK杯のみに派遣された村上大介(陽進堂)。
ショートプログラムを3位で終え、翌日フリーでも2回の4回転サルコウを含むすべてのジャンプをクリーンに決めて自己ベストを大きく更新。総合246.07点でNHK杯初優勝となった。2年前の同大会で肩を脱臼し一時は引退も考えた村上にとって、同じNHK杯での優勝は、同時にGPシリーズ初優勝でもあった。
優勝した村上大介
グレイシー・ゴールド
ソチ五輪4位のグレイシー・ゴールドは、トリプルルッツ‐トリプルトゥループのコンビネーションジャンプを決めてショートプログラムでトップに立つと、フリーでも質の高いジャンプやスピンを決めて、合計191.16点でNHK杯初優勝を飾った。
村上佳菜子(中京大学)は、ジャンプミスにより連続ジャンプが無得点になるなどしてフリーの得点が伸びず、合計173.09点で4位、表彰台を逃した。
宮原知子(関大高)はショートプログラム4位から順位を上げて合計179.02点で3位に食い込んだ。フリー冒頭のトリプルルッツで手をついたが、可憐にミス・サイゴンを演じきった。
2位はロシアのアリョーナ・レオノワ(合計186.40点)。
カナダのミーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード組とロシアの川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ組が、共にフリーで4回転サルコウのスロージャンプに挑戦。
どちらも転倒したが、サイドバイサイドのトリプルルッツを決めたデュハメル&ラドフォード組が合計199.78点で優勝した。
昨年のジュニアチャンピオンである中国のシャオユゥ・ユゥ&ヤン・ジン組が合計182.00点で3位。
高橋成美&木原龍一組(木下クラブ)は、ソロジャンプのミスなどで7位。難度の高いリフトを取り入れるなど成長した姿をみせた。
カナダのケイトリン・ウィーバー&アンドルー・ポジェ組が世界選手権銀メダリストの貫録をみせて、合計169.42点で優勝。
2位争いは波乱の展開。ペニー・クームス&ニコラス・バックランド組(イギリス)が、フリーで転倒し5位、ショートダンス3位のクセニア・モンコ&キリル・ハリャービン組(ロシア)が、スピードのある大きな滑りで劇的なプログラムを演じ切り、合計152.54点で順位を2位に上げた。モンコ&ハリャービン組はGPシリーズ初表彰台。
昨シーズンのジュニアチャンピオンのケイトリン・ハワイエク&ジャンルック・ベイカー(アメリカ)が合計146.41点で3位に入った。
Text: Satoko YAMANARI
Photo: Miwa MORI