イオンカップ
世界新体操クラブ選手権
大会 2007
2007.10.5~7 東京・東京体育館
悲願の世界選手権初優勝を果たしたウクライナのアンナ・ベッソノワが来日し、注目を集めた。
十数年にわたり、新体操界ではロシアとウクライナが激しくせめぎあってきた。アテネ五輪金メダリストのアリーナ・カバエバの登場と前後して、難度重視のロシアに軍配があがってきたが、芸術性の高いウクライナの新体操を支持する声も高く、人気は常に二分されてきた。
あと一歩ロシアに及ばず惜敗をきしてきたそのウクライナが、遂に頂点に立ったのがギリシャでの世界選手権だった。
「ウクライナの新体操が一番であると世界が認めた」
A・ベッソノワ (ウクライナ) 世界選手権初優勝
ベッソノワは日本で誇らしげに語ったが、ロシアもこのまま負けを認めるわけにいかない。
世界選手権からわずか2週間、女達の意地とプライドをかけた戦いが場所を変え、このイオンカップで再び繰り広げられたのである。
昨年は不調気味だったロシアのカプラノワは今年は復調。「新体操界のシンデレラ」と称され鮮烈な世界デビューを飾ったのは一昨年。
昨年は思うような成績を残せずに、同僚のセシナや現役復帰を果たしたカバエバに注目をさらわれることが多かった。
今年はロシアの顔として貫禄さえも漂うようになり、自らの役割、課された責任を果たせるにふさわしい存在へと成長していた。新体操王国ロシアとしての自らの役目を確実にこなし、ギリシャでの借りを返すのように、カプラノワがイオンカップの優勝を飾った。
「ミスを出した方が負け」
トップ選手たちは口を揃えて語る。
計り知れないプレッシャーの中にこそ、彼女達の美しい世界があるのである。
クラブチーム戦もロシアのガスプロムが優勝。日本はイオンの10位が最高だった。
<Text/Photo Miwa MORI>