体操 JAPAN CUP 2009
2009.7.18~19
千葉・幕張メッセイベントホール
個人総合優勝の内村航平
首都圏では16年ぶりとなる体操の国際競技会 「JAPAN CUP 2009」 が、幕張メッセ・イベントホールで開催された。この大会では世界的にも珍しい団体戦を競技に盛り込み、次のロンドン五輪に準じて5-3-3制を採用。男子6カ国 (日本、中国、ドイツ、ロシア、アメリカ、韓国) 、女子4カ国 (日本、中国、ロシア、オーストラリア) が参加して団体と個人総合を競った。
北京五輪後に冨田洋之らアテネ金メダリスト達が引退し、内村航平が日本男子の顔となった。北京五輪でのタフな精神力は記憶に新しいが、エースとなって注目される今も変わらない。団体戦では最初の種目床で二人にミスが出て嫌な雰囲気に流れかけたが、最終演技者の内村がほぼ完璧な演技で流れをひき止め、その後も終始安定した演技で日本チームを引っ張り続けた。ライバル中国に1.650点の差をつけて第一回ジャパンカップ団体優勝を飾った。
個人総合では、内村最大のライバルであるドイツのファビアン・ハンブッヘンが好演技を見せたが「ファビアンがいい演技をしていたので、刺激になって『やってやろう』という気持ちになった」と、内村はプレッシャーを刺激に変える強さを見せる。
最終種目鉄棒では、2位のハンブッヘンと1.000点差、落下一つに左右される点差だったが、淡々と自分の演技をこなして初代王者に輝いた。「 (常にハンブッヘンの後の演技順になり) 内村にとってやりにくかったと思う。その状況であれだけの演技ができるのは尊敬する」とハンブッヘンに言わせるほどの圧勝。10月にはイギリスのロンドンで、五輪と同じ会場を舞台に世界選手権が開催される。彼の勝負力が試される。
女子は中国とロシアの若い力が競い合った。
ロシアのアリヤ・ムスタフィナは2007年の国際ジュニアでも来日。今年は国内選手権も制し、エースとなって日本に戻ってきた。もう一人のタチアナ・ナビエバも国内選手権3位、昨年のヨーロッパジュニアチャンピオンという実力者。中国チームは北京代表の何可欣 と若手の有力選手という構成。若手チームのためにミスが随所で見られたが、最終種目でロシアを追い抜き、辛くも0.100差で逆転優勝を果たした。日本は第3位。
個人総合でも中国の黄秋爽 が58.900点で優勝。2位にアリヤ・ムスタフィナ、3位にタチアナ・ナビエバが入った。鶴見虹子は0.050点差で第4位、表彰台を逃した。
<Text/Photo Miwa MORI>
団体優勝した中国チーム