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9/24 横浜 日産スタジアム
スーパー陸上は今年で17回目を迎えた。今年の注目は、男子100メートル記録保持者のアサファ・パウエル(ジャマイカ)、ハンマー投げでの室伏対チホン(ベラルーシ)との対決、そして女子棒高跳び世界記録保持者ロシアのエレーナ・イシンバエワだ。
パウエルは、9秒77の世界記録を3回マークし、新記録を横浜でとの期待も高かった。今シーズンは10秒を切ること12回、自他とも認める好シーズン。シーズンを締めくくるこのスーパー陸上で最高の記録を出せるよう意気込んでの来日だった。となりで出走予定の末続も「並んで走れることは光栄。胸を借りるつもりで頑張る」と意気込みをのぞかせた。
まずはメインスタンド側で男子棒高跳び、澤野とウォーカー(アメリカ)によるエキジビションマッチで幕を開けた。エキジビションで成績としては残らないが、「自分も楽しんで、そしてお客さんにも楽しんでもらえるように」と、自己2位タイ記録で5メートル70を飛んだ澤野がウォーカーに勝利した。
女子走り幅跳びでは池田久美子が大会2連覇(6メートル81)、女子1500メートルでは小林祐梨子が4分7秒86の日本新記録で2位に。
ところが会場からはどよめきとため息がもれた。注目の男子100メートル、世界最速男パウエルがまさかのフライングで失格となったのだ。自身の中でも生涯2回目のフライング、思ってもみなかった展開。
こうなってしまえば、勝たないわけにも行かなくなってきたのが末続だ。となりのレーンで走れるチャンスを喜んでいたが、そうとばかりは言っていられない。10秒12の好タイムを記録し優勝を果たした。しかしながら並んで走れるチャンスを逃し、心中はいささか複雑だったに違いない。
今年の室伏は負け知らずだ。昨年一年を休養に充て、それが効を奏して今季は8戦全勝。
「今年の締めの試合なので80メートルを投げたい」と話した通り、またもや決めてくれた。これまで5戦続けて80メートルを越えていたが、横浜でも6投目で81メートル00を決め、圧勝した。
この復活振りには、ライバルであり友人でもあるチホンも舌を巻く。
「休養の間にテクニックも改良され力強くなった。秘訣をいくら聞いても秘密だといって教えてくれないんだ」冗談(本音?)も飛び出した。チホンも03年、05年の世界選手権金メダリスト、今季もヨーロッパ選手権を制した。しかしながら今回は長期の遠征からか調子は今一つ。仲の良い二人は良きライバルとしてこれからも楽しませてくれるに違いない。
イシンバエワは昨年に続いての来日。昨年はヘルシンキでの疲れからまさかの記録なしに終わったが、今年は意気込み充分。さらに今年は女子棒高跳びのセッティングがメインスタンド側と主役級の扱いだ。
「私は注目されるのが好き、皆さんが注目してくれているのがわかって嬉しかった」
と期待に応え、4メートル72の大会レコードで優勝を飾った。
「大会レコードということは知っているので嬉しい」
昨年の借りは、きっちりと返した。
来年の世界選手権開催地は大阪。大会後に行われた会見での一場面。先に会見を終えた室伏が、イシンバエワに質問した。
(室伏) 「来年の大阪での世界選手権に向けて盛り上げていくにはどうすればいいか」
(イシンバエワ) 「良い記録を出すと期待を持たせることが大切」
興味深げに聞き入る室伏。
来夏が楽しみだ。
<Text/Photo MIWA MORI>
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